TAjiKA(兵庫県)

兵庫県多鹿治夫鋏製作所にお邪魔してきました。
4代目の多鹿大輔さんに小野駅まで迎えにきてもらい向かうと、
金属を扱う工房なので、住宅街からは少し離れたところ。。。
ではなく、意外にも住宅街の中でした。

工房内に入ると所狭しと大きな機械類が並んでいます。
3代目であるお父さんと大輔さんの2人で
作っているにしては充実の設備で、
鋏製造の1から10まで完結できるようになっています。

整然と整理されていて明るい工房ですが
緑で塗られた機械が、さらに明るく清潔感を感じさせます。


このような工程で鋏は作られていきます(かなりざっくりとですが)


まずは鋏の持ち手の部分と刃になる部分を溶接。


火入れして熱してから金型を使い、150tのプレス機で鍛造。


鋏として重要な刃つけ、習得に月日が必要な技術。


持ち手部分の塗装、この工程はお母さんが担当。


大量の仕掛かり品が。
在庫、と言うよりも財産ですね。


手前の金槌、握りやすいよう削ったものかと思ったら、、、
5年ほど使い続け、持つ手の形にすり減ったもの。


4代目の大輔さんが目指すところ(デザインや設えの大切さ)も
お父さんはきちんと理解しているようで、こうして変わりながら
技術を受け継ぎ、新しい伝統が積み重ねられていくのを感じました。


でも、3代目と1週間、口も聞かなくなることもあると言ってはいましたがw、
お互い真剣ゆえに、譲れない部分があるのも納得できます。


同業種では同世代がいないということでしたが、
その分、他の素材、業種の若い世代と繋がりながら、
新しいものづくり、新しい売場に挑戦している姿は、
世代交代が起こっている、中小規模ものづくり全般に通じる
これからの形かもしれません。


本当は刃の内側の仕上げなどもっと細かな部分で
見てもらいたいことがあるのですが、ここでは紹介しきれません。
直接ものを見て、確かめてください。
切れ味もお試しいただけるようにと思っています。

TAjiKAの新商品に加えて、竹二作の裁鋏なども並ぶ予定です。


帰りに駅まで送ってもらい、大輔さんの素敵な笑顔を写真に
おさめたのですが、別件で電話をもらった際、
「顔は出さんといてくださいねw」と言われ。。。
言われる前にアップしておくんだった。。。

9/23〜25(予定)には大輔さんも会場にいらっしゃいますので
みなさんぜひ遊びにいらしてください。

ノグチ